大学院進学者に贈る十箇条

(はじめに)

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 一年近く前に、大学院へと巣立っていく学生たちに、「贈る言葉」を執筆すると約束したのだが、果たされないまま今日に至ってしまった。無論、私の怠慢が原因である。しかし、その間ずっと気になっていたのも確かである。
 当初から十箇条形式の文章を構想していたのだが、五箇条目を書いた頃に急にばたばたと「お仕事」が入り、「慣性の法則」に従って、そのまま放置してしまったのだ。
 というわけで、ホームページ立ち上げを機に、この約束を果たそうと思い至ったのである。全部をまとめて書こうとするとまたいつになるかわからないので、一箇条ずつ連載することにした。

 大学院生の身の振り方について云々する資格が私のどこにあるのかといえば、「学問的個人史」を見れば明らかなように、主としてそれは、私は人一倍長く大学院に在籍したという点にある。(というかほとんどそこにしかない)。要するに、あまりかっこいい理由ではない。
 ただ、私が大学院生をやっていた時代は、大学および大学院というもののあり方が旧激に変化した時期に重なっており、数多くの院生たちが運命に翻弄された。この時代をかろうじて生き抜いた者として、その経験から得た教訓を語る資格なら私にもあるのではないだろうか。
 私のような生き方を他人に勧めるつもりなどさらさらない。私はぎりぎりのところで何度も幸運に救われたが、それがなければ今ごろ人様に教訓を語るような身分にはけっしてたどり着けていない。ただ、経験値が上がったことで、「ここから先は崖」とか「これはけっこう王道だ」とか、見立ては得意になったし、「事後的に考えるならば幸運はここからもたらされた」(偶然を幸運に変えのは偶然ではない)といったことを経験則として提示することはできる。
 できるだけ多くの若者があらずもがなの迂路を彷徨せずにすみますように。  

1. 研究計画を立てよう

2. 修士課程の一年目に知の土台を作ろう

3. 研究会仲間を作ろう

4. 卒論を改作して雑誌論文を書こう

5. 修論のテーマ選びは大胆かつ慎重にいこう

以下10まで連載予定

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